暴力団

暴力団(ぼうりょくだん)とは、組織された構成員達が暴力、脅迫、強要、強盗、テロ、詐欺などの不当、不法行為を用いて、他人の金品、財産を奪ったり、利益の供与を強いるなど、私的(組織的)な目的を達成しようと、日本を中心に活動する反社会的で犯罪を助長する集団として、各地方公安委員会に暴力団と指定された団体である。暴力団の構成員を主に「組員、構成員、暴力団員」などと称され、映画の影響で世界的にも『YAKUZA(やくざ)』として知られている。政治団体(いわゆる右翼団体)や合法的な企業(いわゆる企業舎弟)などを傘下に組織することがある。

暴力団」との呼称は、警察やマスコミが戦後に命名したものであるが、平成3年に通称暴力団対策法が施行されて、公安委員会が指定暴力団を特定するようになり、法的にも意味を持つ言葉と成り、平成4年3月1日施行の暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(暴対法)第2条第1項第2号では暴力団を、「その団体の構成員(その団体の構成団体の構成員を含む)が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体」と定義している。 しかし欠点として「反社会性を有した団体でも、暴力団と指定されない限り、取締りの対象に成り難い」との観点が有る。その例として、「近年だと広域暴力団に所属せず、少人数で形成された集団を維持する傾向にあり、少年期の不良行為少年で形成されたカラーギャング、ストリートギャング、暴走族、テロリストなどが高齢化して、地下組織やマフィア化している」と言われ、それら少人数で形成された犯罪を助長する集団の実態が把握され難く、「振り込め詐欺、ひったくりなどの窃盗や、不法行為で利益を得ている」と指摘されている。

創設者の姓名や拠点とする地名などに「組」、「会」、「一家」、「連合」、「連合会」などを添えた団体名を名乗る場合が多い。他に暴力団ではなく一般企業であることを強調したい場合に「興業」、「総業」、「企画」、「商事」が用いられる(もちろんこれらの屋号を使う社が全てそうだというわけではない)。

江戸時代からほとんどの団体は「一家」を冠し、傘下に「組」を冠する団体を置いていた。また、明治から昭和にかけて複数の一家が集まった「会」、「連合」などが現れた。平成の現在も「会」の傘下に「一家」を置き、さらにその傘下に「組」や「興業」を置く団体が多いが最大勢力の山口組に関しては他の暴力団に比べ新興組織であるため例外と言える。社会に対しては企業や右翼団体、また近年ではNPO法人を装うこともある。 「シノギ(凌ぎ)」と呼ばれる資金獲得行為には、いわゆる「みかじめ料」(縄張り内で一般人が商業を営む際の挨拶代や権利代。用心棒料)徴収などの恐喝行為(及び、意に沿わない者や建造物等に対する放火や銃撃)、売春の斡旋、覚醒剤麻薬などの薬物取引、集団での野生動物の密猟、テロ行為、銀行や郵便局、宝石店や博物館、美術館等の襲撃、万引きや強盗等の窃盗、賭博開帳、誘拐による身代金、闇金融などの非合法な経済活動、何らかの理由で公に出来ない交渉事を請け負うことが多い。また、日本刀や銃器などを用いた団体間の抗争を行うことがあり、それによる殺人事件も数多く行っている。刺青、指詰め、盃事(さかずきごと)などの特殊な文化を持つ。 構成員は社会的には「暴力団員」と呼ばれるが、その他にも「ヤクザ」(転じて「ヤーさん」、「ヤっちゃん」等)、「極道」、「渡世人(とせいにん)」、、「ゴロツキ」、「稼業人(かぎょうにん)」、「筋者」等、年少者の場合は「不良」、下級構成員の場合は「チンピラ」等と呼ばれる。

「ヤクザ」の語源は多説あるが、主に唱えられるのは以下のとおり。

・カルタ賭博の追丁株で一番悪い目である「八」「九」「三」の数(いわゆるブタ)から由来するという説
・喧嘩などの仲裁を行った「役座」という社会的地位に由来するという説

また数字の「893」は「ヤクザ」の直接的表現を避ける場合に使われる。

「極道」は自らを美称する呼び名で、語源説は以下の2つ。

・“男の道を極めし者”から来ている
・「極道楽」の略で「道楽を極める遊び人」の意

義を重んじ弱きを助け強きをくじく生き方である「任侠道」を標榜し、「顔」、「面子」を潰されることを最も嫌い、親分に対する「忠誠心・仁義」、仲間同志に対する「義理・人情」を重視する。それらは暴力団では法律よりも優先される。これらを踏まえ、所属する組織や自分自身に対する屈辱や障害を暴力を持って排除する姿勢を「男」と表し賞賛する傾向がある。組織内での制裁は指詰めから除籍、破門、絶縁、所払い(ところばらい)に至るまで多岐に渡る。

一方で結束力の強さもあり、組織解散にまで追い込む事はどういうわけか非常に困難(最大の勢力を誇る山口組が現存する事がその証左)で、取締当局(警察)関係者と組織構成員の癒着を疑う声も多い。なお、現行法では暴力団や組員に対しては住居の自由などの基本的人権の侵害すら懸念されるほどの規制が行われているが、イタリアのマフィア対策統合法のような暴力団の存在自体の非合法化はなされていない。

歴史と区分
元々「暴力団」という名称は、警察が名付けた名称に過ぎなかったが、第二次世界大戦後、マスメディアを通す形で、一般でもその名称で認知されるようになった。

江戸時代の町火消から始まったという説があり、祭礼の周辺で商業活動を営む者を的屋(てきや)または香具師(やし)と呼び、丁半などの博打を生業とする者を博徒(ばくと)と呼ぶ。江戸時代においては、これらの者達は一般社会の外の賤民(せんみん。アウトローと同義)的身分とされていた。

明治時代に入ってからは、新たに肉体労働組合も加わる事になり、急速な発展と同時に膨大な労働力が必要となった事で、炭鉱や水運、港湾、大規模工事現場には、農村や漁村から屈強な男達が集まってきた。これらの男達の中から、力量ある男が兄貴分として中心になり、「組」を作っていった。労働者同士による諍いも多く発生したが、警察の手が足りない状況であった為、所謂自警団的な役割を持った暴力団組織も結成されるようになっていった。

太平洋戦争終結直後は、日本が連合国に敗戦し国土も焦土と化した事で物資が不足し闇市が栄えていく事になり、特に露店を本職としているテキ屋系団体が勢力を増していった。また、敗戦による社会の荒廃により戦後の日本の治安は極めて悪かった。その中で、警察に代わって暴力団が治安維持の実力集団として機能する例も見られた。また新たに戦後の混乱の中で形成された愚連隊(ぐれんたい)などの不良集団から暴力団が誕生する事もあった。

その後、日本の急速な経済復興に伴い沖仲仕、芸能興行など合法的な経済活動にのみ従事する「企業舎弟(フロント企業)」も生まれた。現代の一般社会からは、的屋博徒も同じ「暴力団」と見なされているのが現状である。現代の暴力団は的屋の系譜を継ぐ団体(的屋系暴力団)、博徒の系譜を継ぐ団体(博徒系暴力団)の両方が存在するが、明確な区別は建前上でしかなく、上に挙げたような様々な非合法活動を行っている。また、この当時の日本の暴力団は、戦後での大きな「貸し」から、公然と活動している事が多く、警察との裏取引(所謂「お付き合い」)を行ったり、メディアに露出する傾向もあった。

しかし、1992年に暴力団対策法が制定されるようになってからは、暴力団でも公然的活動はし辛くなり、堂々と組の看板を出して事務所を開く事も出来なくなっている。

組織
日本のヤクザは通常、親分(組長)に対して弟分と子分が絶対的に服従する家父長制を模した序列的・擬制的血縁関係を構築することを特徴とし、この関係によって暴力団の強固な結合を確実なものにする。一般に、代表者である組長(会長、総長、総裁などとも)と構成員である組員(組織名が、会、一家であっても組員と呼ばれる)とは、盃事と呼ばれる儀式を経ることによって強い絆で結ばれる。組員は、組長から見て弟分(舎弟)と子分(若中、若衆など)の2つに大別される。組員がさらに自らを組長とするとする団体を組織した場合、この団体は2次団体と呼ばれる(この場合、最初の組長と組員のみの組織を1次団体と呼ぶ)。2次団体の組員もまた、自らを組長とする3次団体を組織する。これを繰り返すことによって暴力団はピラミッド型の階層構造を形成する。日本最大の勢力を誇る山口組の場合には、5次団体までの存在が確認されている。 各階層の団体において、当該組長と盃を交わした組員を特に直参と言う。直参より下の下部団体組員について、暴力団側は“上部団体とは関係のない者”と主張しているが、外部社会からは“上部団体の統制下にあり、上部団体組長の指揮監督下にある者”と見られており、損害賠償請求訴訟でも上部団体組長の使用者責任を認める判決が出されてきた。

組長が引退したり死亡した場合には、組員の中から新たな組長が決められる。個々の組織の状況にもよるが、長男に当たる第一の子分(若頭、若中頭、若者頭、理事長など)が選ばれる場合が多い。新たな組長が就任すると、他の組員との間で盃直しと呼ばれる儀式が行われ、新たな序列に基づく擬制的血縁関係が再構築される。先代組長が跡目を指名しなかった場合には、組員同士の話し合いや入れ札(投票)で決められる。跡目選定を巡る内部対立から組織分裂に到った例としては、山口組からの一和会の分裂が挙げられる。ただ、近年は警察の監視が厳しく、武力による跡目争いを行うと警察が介入し、組織解体につながるため、武力抗争は減っている。

暴力団はヤクザ者の相互扶助団体のようなものであり、組に入りたての時期に組長の家などに住み込んで雑務を行う「部屋住み」の時に組長や兄貴分から貰える小遣いを除けば企業のような組織のように組員に対しての給与のようなものは存在せず、各組員は自分で自身の生活資金を含めた金を稼がなければならない。そして組織は組員から「組織によって庇護すること(トラブル時の対処、人員の融通等)への見返り」、「代紋の使用を認める(資金活動の際に組織の名前を使用する等)ことの対価」として一定額の会費を集め運営経費に充てる。また、義理掛けなどの慶弔費も これとは別に徴収する。また各組織ごとに企業舎弟や顧問先などをもち、そこで得られた利益は上納金として上部組織に納められるようになっている。大組織の親分になると自らの手で違法な金儲けをする必要はなく、上納金を組織の運営費や活動資金に充てるほか、豪邸を構え、高級車を乗り回すなど、豪奢な生活を送る資金として使用しているのが実態であり、麻薬や覚醒剤の密売、強盗、密輸、殺人、万引き、密猟、窃盗、誘拐、闇金融、振り込め詐欺など犯罪行為は下部団体の組員などが個人的に行っているという建前をとっている。これらは形式的には禁止している場合が多く、特に薬物は実際に禁止している所が多い。だが組員は儲けた金の大半を上納金等として組織に持って行かれるため、上納金や自らの生活資金を捻出するために危険だが利益率が高い非合法な資金獲得にも見境なく手を染める場合が多く、実際には発覚しない限りは上層部からは黙認されている。

前述のように弱きを助け強きをくじき仁義を重んずる「任侠道」を標榜しているが、実際は暴力団社会は弱肉強食であり、仁義もあくまで暴力団社会にのみで通じるものであることが多く一般社会では当抵受け入れられるものではない。

上部団体は舎弟企業などを介し表面上合法的に収益を上げるシステムになっている。より組織的な金融犯罪にも暴力団が関わっていることが殆どだが、暴力団組員が主導しているのではなく、不良弁護士や不良会計士が暴力団を隠れ蓑に利用しているケースもある。

このような暴力団の不法行為に対し「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」(平成3年法律第77号、暴対法)が1992年3月に施行された。

都道府県公安委員会は、暴対法第3条に定める要件全3号の全てに該当する暴力団を、当該団体関係者からの聴聞を経た上で“その暴力団員が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれが大きい”と指定でき、対象団体は「指定暴力団」となる。指定暴力団の構成員は、他の暴力団よりも強い規制を受けることになる。
2012年の2月時点で以下の22団体が指定されている。 都道府県別に見ると、工藤会道仁会太州会福博会九州誠道会という5団体を擁する福岡県が全国最多となる。

指定が取り消されたか失効した団体
石川一家(佐賀県) - 五代目山口組傘下宅見組加入により1995年10月16日 取り消し
・二代目大日本平和会(兵庫県) - 再度の指定が行われず1997年4月6日 失効
・三代目山野会(熊本県) - 壊滅により2001年11月8日 取り消し
極東桜井總家連合会(静岡県) - 消滅により2005年5月31日 取り消し
國粹会(東京都) - 六代目山口組加入により2005年10月31日 取り消し
中野会(大阪府) - 解散により2005年12月22日 取り消し

2012年、指定暴力団の中でも“特に凶悪と見做される組織”として、“銃撃や火炎瓶を投げ込むなどの危険行為を繰り返す恐れのある組織”を「特定危険指定暴力団」、“抗争で住民の生命や身体に危険が及ぶ恐れがある組織”を「特定抗争指定暴力団」に指定できる暴対法改正案が7月に成立し、10月より施行。とりわけ危険度の高い九州地方の暴力団の封じ込めを狙いに定めた『改正暴対法』で、工藤会道仁会、および九州誠道会という福岡県本拠の3団体が年内にも指定される見通しとなっている。


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  • 最終更新:2012-11-23 12:03:32

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